ヌメレンジャーの秘密

これが伝説だ！！（元ネタバレバレ）

ヌメリ会が激愛戦隊ヌメレンジャーになり愛を世界中にお届けするようになってすでに数年が過ぎていた。
ヌメレンジャーは、人類の巨大な福祉団体的存在となり、人々は、平和な地球で子を生み、育て、そして死んでいった……。
某年某月某日。
ヌメレンジャーを敵視するアンチヌメリ組織は、自らをエヌーゴと名乗り、ヌメレンジャーに戦争を挑んできた。
この一ヶ月あまりの戦いでエヌーゴは善良な市民を洗脳することに成功。
エヌーゴと世界を相手に戦わねばならなくなったヌメレンジャーは、総人口の半分を死に至らしめた。
人々は自らの行為に恐怖した……。

ヌメレンジャーとエヌーゴの果てしない激戦の結果、戦線は膠着状態に入り八ヶ月が経過。
その後ヌメレンジャーは洗脳されただけの善良な市民に手も足も出ず、遂に活動不能となってゆく……。

ヌメレンジャーが失踪した世界にアンチヌメリを称するエヌーゴは、存在意義を無くし、市民に支持を得られなくなり、急速に衰えた。
ヌメレンジャーとエヌーゴの長き戦いは終わった。
だが愛のない世界は完全に荒廃してしまった……。

そんな荒んだ世に一人の漢が現れた。その名は愛参謀。
ヌメレンジャー士官学校を首席で卒業し、一気に幹部へと昇格した愛参謀は、エヌーゴの完全撲滅と言う政策を行った。
ヌメレンジャーの迅速な戦後処理に、世界の復興を願う人々は、ヌメレンジャーを歓迎。
人々の支持を得たヌメレンジャーは、活動を再開した。
世界に真の平和が訪れるかに見えた……。

エヌーゴは生きていた。ヌメレンジャー総本部「シュラノクニ」は、エヌーゴ残党に襲撃されたのだ。
本部が壊滅したという報を受け、愛参謀は落胆した。
ヌメレンジャー影の首領ラショウＤＲ閣下は昏睡状態。
生き残った幹部のほとんども意識不明の重体。
ヌメレンジャーはこれに対処するため、訓練半ばの隊員を復興のため各地へ赴かせねばならなくなった。
「ナガヤリトリデ」を守る任についたのは若きモノ愛であった。
彼は役に立ちそうもない知識の豊富さに不屈の闘志とヒゲをかわれて、ヌメレンジャーにスカウトされたのだ！
「ナガヤリトリデ」で勇名を轟かせたモノ愛は、幹部で唯一活動可能な愛参謀のよきパートナーとなる。
優秀とは言えまだまだ未熟な二人は、助け合い励まし合いながら、愛を賭けて、戦い続ける。

その後燃え上がる闘志の愛参謀がヌメレンジャーを復活させ総帥となった。
新本部を「アベニチ」に置くと同時に幹部に昇格したモノ愛の活躍ぶりは凄まじかった。
復活した愛怪物、愛忍者、愛成人、愛主席、新幹部の愛統領、愛女傑、愛刺客よりもモノ愛の活躍ぶりは目を見張るものであったのだ！
愛参謀は言った。『ヌメレンジャーを継ぐのは彼しかいない』と。

激愛戦隊ヌメレンジャーが過去の栄光に近づき始めたある頃、一人の漢が幹部に昇格した。名は愛快傑。後の愛天才である。
彼はヌメレンジャー創立以前よりヌメリ会とは別の所で愛を説き続け、遥か昔ヌメリ様が住んでいたという「ヌメリ宮殿」を護る漢である。
人々は口々に言った。『歴代最高のヌメリ愛』『２０００年に一度現れる天才』と。 モノ愛も『ヌメレンジャーを継ぐのは私ではなく、彼だろう。』と思った。
愛天才の登場により、モノ愛は劣等感を持つようになった。『私では駄目だヌメレンジャー次期隊長は！』

モノ愛が次期隊長の誘いを断ろうと本部へ馳せ参じようと思っていたある日、愛参謀が倒れたとの知らせが届いた。
睡眠時間一日平均三時間、分刻みの過密スケジュール…正に殺人的激務が重圧となり、倒れたとのことであった。愛を著しく消耗してしまったのである。

「アベニチ」に駆けつけた幹部達。『ヌメレンジャー継承があるであろう』『次期隊長は愛天才に違いない』と皆が思っていた。
しかし愛参謀の口から意外な言葉が出た。
『あ〜、ヌメレンジャー次期隊長はモノ愛だ。』と。
『な…何故です！？私より愛が深い愛天才がいるではありませんか！愛天才の方が適任です！！』モノ愛が言った。
『…確かに。だが、真にヌメレンジャーを継ぐには、冷静にヌメレンジャー全体を見据えねばならぬのだ。愛天才のヌメリ愛は熱い。それ故冷静になることが出来ぬ…。』
『し…しかし……私には自信がありませぬ。』
『モノ愛よ。うぬの名は全てを見据えるモノアイに由来すること忘れたか！？』
『はっ……で、でも！』
『あ〜い〜ってなんだ？　ためらわな〜いこ〜と〜さ〜♪』躊躇うモノ愛に愛参謀は突然歌い出した。
『はああ愛参謀！！』
『うぬにはうぬの愛がある。うぬは劣等感のあまり躊躇いがちになっている。だが昔から言うであろう。「十人十愛」と！！』
『じゅ、十人十愛…』そう言ったモノ愛の肩をポンと叩いた愛天才が、微笑みながらこう言った。
『自分はヌメリ宮殿を護る任があります。次期隊長は矢張りあなたしかいませんよ。』
その時、モノ愛の体に電気が走るような感覚を覚えた！『こ…これは！ヌメリースマイル！！』
『おめでとう次期隊長！』『おめでとう！！』皆の祝福に、モノ愛の躊躇いは消し飛んだ。
『ところで愛参謀殿は、引退なさるおつもりで！？』愛刺客が言った。
『否！私はモノ愛に従う。これは、かつてナントチャットを駆け抜けた戦友（とも）としての願いだ…。』
『愛参謀…あなたという人は………明日、戴冠式を行う！直ちに準備に取りかかれい！！』『はっ！！』

６０億人が注目する戴冠式。そこで、モノ愛は、叫んだ。
『激愛戦士よ！　哀しみを怒りに変えて、立てよ！　激愛戦士よ！　我ら激愛戦隊ヌメレンジャーこそ愛の民であることを忘れないで欲しいのだ。　ヌメリの子である我らこそ人類を救い得るのである。　ジーク・ヌメリ！！』
『ジーク・ヌメリ！！ジーク・ヌメリ！！ジーク・ヌメリ！！ジーク・ヌメリ！！…………』
その日、世界中でジーク・ヌメリがこだました。愛は地球を救う！！

モノ愛率いる激愛戦隊ヌメレンジャーはこうして幕を開けた。６０億人が駆ける！！

★この話はほとんどフィクションです。実在の人物・団体・事件などには、一切関係御座いません。